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詩人ワニ madozukin.exblog.jp

マンガと詩


by madozukin

なぞなぞ《大きいのに弱虫他人が苦手な生き物なあに?》

 寒くって手足が硬直してます。背骨は温かいです。湯たんぽもいいし、オーバーもいいけれど、自分自身がポカポカしていると一番心地よいことを発見しました。

 ただ今の読書は、森真一著「かまわれたい人々」です。先週ずいぶん延滞してしまった本をやっと返して、次は借りるつもりもなかったのに、図書館のトピックのところで目に入った本です。わたしには、草食系も肉食系もどうでもよかったのですが、「家畜系」に悩まされていたのでヒットでした。積極性を持たず、何となく控えめだが、何かの切欠で堰を切ったように権利の主張を始める人たちです。作者は、「してもらいたい主義」の人たちと言い換えられていましたが。。

 わたしの中にも「してらいたい」欲求はありますが、同時にじぶんの能力の範囲というのも理解しているので、相手を苦しめてまでは通せないと了解しています。

 家畜系は、おそらく昔から存在しました。ただ、その彼等は、飼い主に分を超えた権利を主張しません。家畜の身分ですから分相応なのです。

 しかし、豊かな時代の家畜系は違います。橋本治的に表記しますと、自我の境界なく、底が裂けています。そこは、本人が最も自覚したくないところで、しっかり強固に蓋がしてあります。どういう自己の有り様かと言いますと、現実の経験が抜け落ちていて(あっても削除してある)、理想の自分だけがある状態(何も手を着けていない)です。
 というわけで、この人は、じぶんの今の限界を理解しません。というわけで、相手が困っていても分かりません。自分の理想の環境実現が全てですが、そのための工夫と努力は案外簡単に放棄しています。譲歩の意味がわからないので、交渉と言うよりお強請りの有様です。発想のおおもとが、保護されつつ勝手にしていたいので、イタくて迷惑な上何がしたいのかもう一つ不明です。

 身分社会は大分前に終わったのですが(おしんの頃)、個人である根拠を引き受けないないまま世間を消して、理想高く育つとモンスター◎◎の完成です。
by madozukin | 2009-12-21 18:43 | メモ