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詩人ワニ madozukin.exblog.jp

マンガと詩


by madozukin

古賀春江

 北斎の肉筆画を見た時も思ったのだが、図録になることで、かえって生きるタイプの絵は存在する。

 古賀春江も、一枚一枚で見ると、なぜか気分が散じてしまうのだ。そして、この人はわりと早く亡くなっているので、中年以降がない。完成途中だったサーカスの景は、ふしぎな絵で、それまでに描いた4期に分類される、どの時期にも似ていない。もうすこしで見えそうだった予感が残り続ける。彼にだけ見えたもの。

 絵については、表されている内容ではなく、サイズがピンと来なかった。下絵やメモが展示されていて、作品と両方見比べられる展示の仕方の所為もあるのだろうが、大きさに混乱する。わたしにとって、ちょうどいい大きさが図録だったというわけ。

 なので、少々歯切れが悪い。

 >サイズは、絵の印象を変えると思った。大きくても、小さくても良いのだけど、ちょうどという分量みたいなもの。

 こちらは、ツイッターに書いた文章から引用。感想にもなっていない感想を書くと、もう少し大きかったり小さかったら、もっと好きになれたのにと思う。第一期の水彩や、第3期、クレーやミロの影響を受けた時期の絵は比較的安定している。それ故に、サーカスの景以降が気になってしかたない。
 
by madozukin | 2010-11-25 02:42 | 展示を見る