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マンガと詩


by madozukin
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アイドルと呪詛

 かれのすきと
 わたしのすきで
 あいだに
 隙間があって
 埋まらない距離が

 切なくて
 愛しくて
 ある時もう必要じゃなくて

 かれの周りをウロウロ回るも
 衛星よろしく
 距離は残って

 ほんとうの気持ちも
 取り繕った気持ちも
 まぜこぜで

 かれの幸せを願いつつ
 わたしが幸せでないので
 冷静になれません

 かれが振り向く瞬間を夢みて
 次の地平へ歩くまでの距離は
 考えると夢が萎んでしまうような

 わたしは その寸前で いつも金縛りになって

 そして 泣くのです あなたがいなければ苦しくなかったし
 また 嗤います あなたいなければ存在の小ささを意識せずに済んだから

 べつの瞬間
 
 振り向かないかれから
 独立の思いが沸き立ち

 かれを葬る呪文を思いつきました

 わたしのこころのこころのこころのそこから
 わたしのこころのこころのこころのそこから
 いなくなれと

 しかし かれはなんともなく
 むしろ 楽しそうに朗らかに

 わたしは 毎日怒りを膨らませ
 わたしは 日ごとに悲しくて

 この気持ちで復讐することにしたのです

 すると 不思議にわくわくし
 悲しい気持ちが消えました
 復讐できるような わたしは 弱くないからです
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# by madozukin | 2015-08-31 12:00 |

こども

 あなたがまだ
 でたらめで
 ようきな
 たのしいこどもだった頃
 
 原っぱには
 無限があるようで
 無限の原っぱの端からおっこちないように
 見守っているひとがいたのは内緒

 心配は一枚多い上着
 過保護は晴れの日の長靴

 力いっぱい駆け込んで
 じぶんを嫌いになる前に泣いている
 友達を憎む前に叩いている
 くたびれて何となく仲直りする
 空を押し上げる笑うちから

 秘密の話しがある
 ウソの話しもある

 原っぱな端っこで見守っているひとがいて
 それはどうやらクマでなく
 シカでなく

 落っこちそうなると
 ヒョイとつまみ上げて
 原っぱの上に戻してくれる
 
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# by madozukin | 2015-07-29 15:41 |

ある日のシンデレラ

 あなたはうぬぼれるべきなんだ

 何に対して

 あなたはじぶんをうけいれるべきなんだ

 わたしはとても醜い

 あなたはじぶんを好きになっていい

 わたしは嫌われている

 あなたは負債を払わなくていい

 わたしには著しく欠けたところがある

 おしゃれをして
 美しさを信じて
 世の中の半分くらいは味方するから
 自分の個性にそうびっくりしてはいけない

 魔法使いのオバサン(別の時にはおばあさん)は そう言ってから シンデレラを舞踏会へ送り出しました
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# by madozukin | 2015-07-10 01:38 |