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マンガと詩


by madozukin
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妙心寺展

 ちちからお使いを頼まれなかったらたぶん行かなかった。図録を買うよう頼まれたのである。HPによると、結構な重さであることも判明したので、さっさと通販を選ぶ。

 それはそれとして、最終日になって、嘘はいかんなとか新日曜美術館で予習もしてるしのこのこ出掛けて行く。足どりも重く。しかし、それは思い掛けない出逢いとなった。

 美術品だけでなく、お寺の歴史の展示でもあるので、歴代の住持の肖像画が並ぶ。現代なら、連続当選を果たした国会議員が肖像がを描いて貰うように。様式が決まっていて、あまり特徴のない絵をぼんやりと見る。

 その効果が表れたのは後半の壁絵や屏風の展示になってからだ。妙心寺には、時の権力に沿わない気風があった。そのため、豊臣と関わりが深く、徳川から嫌疑をかけられた狩野山楽・山雪の作品も所蔵している。 情念のような葛藤ような梅の大木は、サルバドール・ダリにこそ見せたいなと思う。彼なら、何が書かれているか、誰よりも理解したでしょう。
 
 一人で観ていると、つい他の来館者の話し声に耳をそばだててしまうものだ。小さな男の子が、お父さんと一緒に来ていて、その説明が素晴らしかった。中国の賢人が、仙術を習いに来た場面では、仙術とは孫悟空のことだと子どもに分かる説明をしていた。鳥がたくさん飛んでいる絵の前では、これは自然をそのまま描いたものではないよと言っていた。わたしはえっと思ったが、よくよく観ればツバメとツルが同じ空間にいたのである。

 わたしにとって、貴重だったのは海北友雪の「龍雲図襖」である。代々の肖像画とのちがいが際立っていた。人は、漫然と描いていると、心細さから(もしくは雑念と言ってもいい)無駄な線を描いてしまうのである。その龍は、恐くて愛嬌があり複雑だった。だから、絵が動くのである。雪舟のねずみの話しのように。
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by madozukin | 2009-05-12 00:40 | 展示を見る